なぜロシアの動機を非合理的にしか説明できないのか

ウクライナ侵攻

昨年4月3日に「なぜ二つの立場に分かれるのか ウクライナ侵攻」という記事を公開しました。
短いので、全文を引用します。

「ロシアによるウクライナ侵攻に関しては、様々な意見があります。
細々とした意見の相違を別にすれば、大枠として二つの意見に集約できそうです。

第一の立場。ロシアの言い分には全く理がない=ロシアには大義がない。
第二の立場。ロシアの言い分にも一理ある。

言うまでもなく、前者の主張の方が、圧倒的に多い。
第一と第二の立場の論者には、ウクライナ侵攻が全く別の見え方をしています。そして、第一の論者には、第二の論者が言っていることが、全く理解できないようです。

(追加)
それにしても、第一の立場の人たちは、ロシアの動機は何だと考えているのでしょうか。
領土的野心?プーチン氏が病気だから?それとも、彼が正気を失っているから?
第一の立場では、ロシアの動機を合理的に説明できないと思うのですが。(2022・4・4)」

侵攻開始から、一年以上経ちますが、記事で述べたことは、そのまま通用しそうです。

「第一の立場。ロシアの言い分には全く理がない=ロシアには大義がない」と考える人たちが主戦論者になり、「第二の立場。ロシアの言い分にも一理ある」と考える人たちが、和平論者になっています。

そして、西側では、「言うまでもなく、前者の主張の方が、圧倒的に多い」。
もっとも、じわりじわりですが、後者の主張者の数が、増えているようです。

「 第一と第二の立場の論者には、ウクライナ侵攻が全く別の見え方をしています。
そして、第一の論者には、第二の論者が言っていることが、全く理解できないようです 」

ヤフー記事のコメント欄を読むと、つくづくそう思います。侵攻から一年以上経つのですから、両者の認識がいくらかでも近づいても良さそうなのですが。両者の認識が、一向に近づいていないのは、なぜでしょうか。

第一の立場の人たちは、「ロシアの言い分には全く理がない」と考えていますが、彼らは、ジョン・ミアシャイマー氏やエマニュエル・トッド氏のような優れた知識人の論説を読んでいないし、何よりも、プーチン氏が侵攻直前に行ったテレビ演説を、読んでいないからだと思います。要するに、ロシアの言い分に、耳を傾ける意思がない。だから、第一の論者は、ロシアの動機について、非合理な解釈を行う。そのために、第一の論者と、第二の論者の話が通じないのではないでしょうか。

「それにしても、第一の立場の人たちは、ロシアの動機は何だと考えているのでしょうか。
領土的野心?プーチン氏が病気だから?それとも、彼が正気を失っているから?
第一の立場では、ロシアの動機を合理的に説明できないと思うのですが」

「ロシアの動機を合理的に説明できない」!
そのことこそが、第一の論者の解釈なり、仮説なりが、間違っていることの証拠ではないでしょうか。

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