戦争と夫婦喧嘩

平和論

なぜ夫婦喧嘩は起こるのでしょうか。
夫が妻の、妻が夫の言い分を全て受け入れることができるのなら、夫婦間に喧嘩などありえません。両者の主張が対立していて、お互いに譲歩できないから起こるのでしょう。国家間の喧嘩たる戦争も同じです。一方の国が、他方の国の要求を呑めないから起こるのです。

私が不思議に思うのは、「戦争は絶対にしてはならない」などと発言する、いわゆる平和主義者の人たちは、夫婦喧嘩はしないのかということです。もしするのなら、彼らの言動は矛盾しています。というのは、自分は妻(または夫)の言い分を受け入れないくせに、自国には他国の要求を呑むよう主張しているのですから。他国と戦争をしない唯一の方法は、その国の要求を全て受け入れることです。

ロシアが北方領土は自国領だと言えばそれを認め、韓国が竹島は自国領だと言えばそれを認め、中共が尖閣諸島、そして沖縄も自国領だと言えばそれを認めるようにすれば、日露、日韓、日支の間に紛争は発生しないでしょう。もっと述べるなら、北朝鮮による吸収合併を韓国が認めるなら、台湾独立を中共が承諾するなら、北朝鮮と韓国、台湾と中共の間に戦争は起こらないでしょう。

たとえば、作家の故井上ひさし氏は、九条の会の呼びかけ人の1人であり、「平和主義者」でしたが、一方で家庭内暴力でも有名でした。もし平和主義者なら、相手の主張に全面的に従うべきなのです。氏は平和主義者たる自分が、妻に対して暴力をふるうことの矛盾に気がつかなかったのでしょうか。というよりも、その矛盾に思い至らないから、暢気に平和主義を唱えていられたと言うべきでしょう。

「平和主義者」の皆さんは、戦争や核兵器などの問題よりも、まず夫婦喧嘩や親子喧嘩の「廃絶」について、真剣に取り組んでみられてはどうかと思います。

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