あなたはウクライナ軍とロシア軍のどちらの兵として戦いますか?

今、ウクライナとロシアは戦争をしています。
もしあなたの手元にウクライナ軍とロシア軍の両方から召集令状が届いたとしましょう。しかも、何れかの招集に応じなければならないとしたら、あなたはどちらの軍の招集に応じますか?

一般的に言って、戦争の評価について、ウクライナ=善、ロシア=悪だと考える人は、ウクライナ軍の招集に応じ、ロシア=善、ウクライナ=悪だと考える人は、ロシア軍の招集に応じるでしょう。もっとも、後者の理由で、ロシアの招集に応じる人は殆んどいないだろうと思います。

ただ、後者以外の理由で、ロシア軍の招集に応じる人はあるかもしれません。
第一、宇露の、一方が善で、一方が悪とは考えない、言い換えるなら、どっちもどっちだと考える人もあるでしょう。彼らの中には、ウクライナ軍に入隊する者もあれば、ロシア軍に入隊する者もあるかもしれません。
第二、ウクライナ=善、ロシア=悪だけれども、一方、力の強弱という点から、ロシアはウクライナに勝利する、だから、ロシア軍に入隊するという人もありえます。

ウクライナ戦争で有名になった言葉に、キルレシオというのがあります。
撃墜対被撃墜比率のことで、ウィキペディアによれば、それは、「空中戦を行った際に、彼我に発生した損害比率を示す軍事用語」で、「航空機の集団同士の戦闘において、撃墜戦果が発生する間の被撃墜による損失発生との割合を表現したものである。A軍が敵のB軍の航空機を10機撃墜する間に、A軍の航空機も5機撃墜された場合、AのBに対する撃墜対被撃墜比率は10:5=2:1となる。逆にB軍のA軍に対する撃墜対被撃墜比率は1:2である」

これが、ウクライナ戦争では、戦死者数の彼我の比率として応用されています。
昨年2月24日以降のウクライナ軍とロシア軍の戦闘における戦死者数がウクライナ兵5万人、ロシア兵が10万人なら、ウクライナにとってキルレシオは2:1で、一方ロシアにとっては、1:2になります。

西側報道によれば、昨年の侵攻開始以降の戦死者数は、ウクライナ軍<ロシア軍(ウクライナ軍よりもロシア軍の方が戦死者が多い)とされています。しかし、私はそれはプロパガンダだと考えます。戦死者数は、ウクライナ軍の方が多いだろうと思います。
これまでマスメディアやネットから情報を得てきましたが、そのように主張する言論人、専門家の方が信用できるからです。

今年の7月8日に、「戦争中なのにクリミア大橋が観光客で大渋滞 ロシア軍の足を引っ張る」という記事が、配信されました。内容は、「クリミア半島とロシア本土を結ぶクリミア大橋で、避暑に向かうロシア人観光客が交通渋滞を引き起こしている」というものです。
ウクライナ軍とロシア軍の戦死者数が、もし西側報道の通り、前者よりも後者の方がかなり多いのだとしたら、このような事態は生じていないのではないでしょうか。
戦後、戦死者数は、ウクライナ兵>ロシア兵なのが、判明するだろうと思います。

さて、では私はどちらの招集に応じるでしょうか。
この戦争はウクライナ=善、ロシア=悪だと考えていませんし、戦争はどちらかと言えば、ロシア側が勝利するだろうと考えていますし、戦死者数もロシアよりもウクライナの方が多いと思うので(ということは、人口比で考えれば、ウクライナの方がずっと戦死者比率は高い)、要するに、ウクライナ兵として戦うよりも、ロシア兵として戦う方が生還の可能性は高いと考えるので、私はロシア軍の招集に応じるでしょう。

では、第一、ウクライナ=善、ロシア=悪であり、第二、ウクライナはロシアに勝利する、第三、戦死者数はロシア兵よりもウクライナ兵の方が少ない、そのように信じる人がウクライナ軍への招集に応じ、戦場に赴いた場合、どうなるでしょうか。

地上の楽園との政治宣伝に誘われて、1959年以降北朝鮮に帰国した在日朝鮮人の人たちと、同じような気分を味わうことになるでしょう。
(いざ帰国してみたけれど、いざウクライナ軍に入隊してみたけれど) 騙された!!

冷戦時代、ベルリンでは東から西へ、朝鮮半島やベトナムでは北から南へ、人々は逃げました。しかし、一種独特な人たちが西側諸国にはいました。西側にいて、社会・共産主義を賛美する一方、西側がいかに酷い社会・体制であるか非難した人たち、その癖共産主義国に逃げなかった(行かなかった)人たちです。彼らはなぜ東へ、北へ逃げなかったのでしょうか。
口では何とか言いながら、薄々共産体制の過酷さに気が付いていたからでしょうか、それとも、自由主義体制批判が処世術だったからでしょうか。

前に戻って、ウクライナ軍とロシア軍の両軍から召集令状がきて、どちらかの招集に応じなければならない場合、ウクライナは善であり、ウクライナは勝つだろうし、戦死者数もウクライナの方が少ないと公言しながら、いざ手元に召集令状が届いたら、冷戦時代の一種独特な人たちのように、ちゃっかりロシア軍に入隊していたという者は少なくないだろうと、私は確信しています(笑)。

蛇足

何度予想を外しても、テレビ番組に出演している、反省のない軍事や国際政治やロシアの専門家の人たちは、そのような選択を行う可能性大だと思います。
ウクライナ軍とは違ってロシア軍なら、中高年の彼らは、前線に行かなくて済むかもしれませんし。