1.それはいつなのか?
西側からの兵器を得て、いよいよウクライナが反転攻勢をしかけるだろうと、マスメディアやネットで話題になっています。
その時機を巡っては、既に始まっているとの説もあれば、近日中に始まるとの説もあれば、ウクライナには反転攻勢をする余力がないとの説もあります。
それがいつ始まるかはともかく、実際に始まったとして、予想される結果は、そうそう楽観視できないだろうと思います。
2.兵器の損傷が大きければ
ウクライナが劇的に占領地を奪回し、しかも、兵器の損傷が少なければ、奪回地を維持できます。また、占領地の奪回がわずかであっても、兵器の損傷が少なければ、奪回地を維持できるでしょう。
しかし、劇的な奪回を果たしたとしても、兵器の損傷が大きければ、奪回地を維持するのは困難でしょうし、西側からの更なる軍事支援が到着するまで、持ちこたえられるでしょうか。その場合、再びロシアに押し戻されるかもしれません。
ウクライナは、外国からの軍事支援で戦っているので、その点、ロシアに足元を見られています。同国の兵器の損傷が激しければ、ロシアはその隙を狙うでしょう。
ロシアは自らの敗北が明確にならない限り、戦争目的を達成しようとするでしょう。
ウクライナの反転攻勢が成功し、それを見て、西側が即座に、多大な軍事支援を行えば、奪回地は維持できるかもしれません。
しかし、反転攻勢が失敗し、兵器の損傷が甚だしければ、そこからがロシアの反転攻勢のスタートになるかもしれません。そうなると、ウクライナの反転攻勢は、同国の敗北を早める結果になりさえします。
反転攻勢は、一種の博打です。
吉と出るでしょうか、それとも、凶と出るでしょうか。
「かもしれません」、ばかりの文章になってしまいました。
【追記】
ウクライナの反転攻勢は、なかなか意図する通りには進んでいないようです。
それはともかく、それがうまく進んだとしましょう。そうすると、前線も、補給線も伸びて、それらを維持するのが困難になります。ウクライナ側には、そのような力はあるのでしょうか。
どちらの方角から考えても、ウクライナにとって、不利な結論になってしまいます。
何か突発的な、奇跡的なことでも起こらない限り、ウクライナの勝利は無理ではないでしょうか。(2023・6・21)