《双方が勝てると信じている間は、停戦交渉は始まらない》
原理
1.戦争は強い側が勝ち、弱い側が負ける。
2.戦争は善の側が勝ち、悪の側が負ける、訳ではない。
3.強い側がより多くを獲得し、弱い側がより多くを失う。
4.双方が勝てると信じている間は、停戦交渉は始まらない。
5.おおよそ勝敗が決まり、敗者がそれを自認した場合に、または、双方とも勝利の目途が立たない場合(朝鮮戦争)に、停戦交渉は始まる。
6.停戦交渉では、敗者が、より多く譲歩しなければならない。
応用 ウクライナ侵攻
今のところ、ウクライナもロシアも、自らの側が勝てると信じているため、停戦交渉は進んでいません。
ロシア側の論理?
単独なら、ロシアはウクライナに負けるはずがないし、NATOが直接参戦しないなら、ロシアは勝てる。
ロシア>ウクライナ(+NATO) (ロシアの力は、ウクライナと間接参戦のNATOの力を足したよりも強い)。
ウクライナ側の論理?
NATO、とりわけアメリカがウクライナの味方だから、たとえ西側が間接参戦でもウクライナは勝てる。
ウクライナ(+NATO)>ロシア。
双方が勝てると信じているのは、(+NATO)が変数で、その力が計測しがたいからでしょう。だから、停戦交渉は始まらないし、戦争は長期にわたりそうです。
この先も戦いが続いて、その結果、戦争の決着が付き、勝者、敗者が決まるか、あるいは、双方の膠着状態が続き、勝敗が決まらず、その時点で(の勢力範囲で)、停戦交渉になるか、の何れかになると予想されます。