8月23日に「ロシアによる侵略から半年『戦争は一つのヤマ場を迎えている』 松田邦紀・駐ウクライナ大使インタビュー」という記事が配信されました(注)。
「福井県福井市出身の松田邦紀・駐ウクライナ大使が22日までに福井新聞の書面インタビューに応じた」とのことで、そこで、「『ロシアの戦争の目的は既に失敗したというのが大方の評価』と国際的な見解を紹介。ただ、今後を明確に見通すことは『容易ではない』と指摘し、『ウクライナ軍の攻勢の帰趨(きすう)を見極める必要がある』と慎重な姿勢を示した」とあります。
「ロシアの戦争の目的は既に失敗した」でしょうか。
「ロシアの戦争の目的」の主目的は、ウクライナのNATO加盟阻止=中立化であり、副目的はドンバスの「解放」でしょう。
ウクライナのNATO加盟阻止は一応果たしていますし、ドンバスの「解放」のうち、ルガンスク州は征服しましたし、ドネツク州もかなりの部分を征服しています。その他ヘルソン州の「解放」も実現していますし、「ロシアの戦争の目的」は、おおよそ達成できています。
松田氏は、「ロシアの戦争の目的は既に失敗したというのが大方の評価」といいますが、「大方」とは、どこの国の、あるいは、誰のことを言っているのでしょうか。
「松田大使は現在、ウクライナとの国境から約80キロ離れたポーランドのジェシュフの臨時事務所で在留邦人の安全確保や避難民の渡航支援などに当たっている」とのことですが、現役の外交官であれば、日本政府の公式見解と合わせるために、ここまで現実と乖離したことを述べなければならないのでしょうか。
(注)
https://news.yahoo.co.jp/articles/a5afd664f5ef873021b03f5e4867a5687d226f80