1.同士討ち
勿論、アメリカを含めたNATO諸国には、そんな意図はないでしょうし、そんなことを真顔で言えば、陰謀論だとされて当然です。
しかし、ウクライナ戦争を見ていると、結果的に、NATO諸国が、汎ロシア諸国のメンバー(ロシア、ウクライナ、ベラルーシ)同士を戦わせて、とりわけロシアの弱体化を図り、その脅威を除去しようとしているように思えてなりません。
2.中策か下策
孫氏の兵法に、「百戦百勝は善の善なる者に非ず」というのがあります。その意味は、「戦わないで勝つことこそが、最もよい作戦である、という教え。(中略)『孫氏』の基本的な考え方は、戦いにおいては、自分の国や軍隊をできるだけ傷つけずにすませるのが最善で、実際に戦って相手を打ち破るのは、必ず損害を伴うから次善の策である、というもの」(コトバンク)です。
あらゆる「戦争」において、戦わずして勝つが上策であり、戦って勝つは中策であり、戦って負けるは下策です。
もはやウクライナとロシアには、中策か下策のどちらかの選択しかありません。両国とも、出口の見通しもなく、ズルズル戦いを続けているように見えます。
漁夫の利という故事がありますが、さて漁夫はアメリカなのでしょうか、それとも、中共なのでしょうか。
3.誤算
元々ロシアは、独立国としてのウクライナの存在には反対ではありませんでしたし、ウクライナに対して領土的な野心があった訳でもありませんし、兄弟国なのですから、その人民の抹殺を意図した訳でもありません。
ただ、対ロシア同盟であるNATOに、ウクライナが参加するのが許せなかった。NATOに加盟すれば、同国内に米軍の基地や核を含めた兵器が配備されるかもしれず、そうなったらロシアにとって大変な脅威だからでしょう。
ウクライナは戦争によって、多くの国民の生命を失い、多くの国民を難民にし、東部や南部といった領土を奪われました。勿論、今後それらの地域を奪還するかもしれませんが、それにしても、何と多くの犠牲を払うことになったことでしょうか。
ウクライナは、一体何のための戦っているのでしょうか。自国の独立のため、あるいは、ロシアの侵略を阻止するためだと言うのかもしれません。しかし、戦争前に、ロシアに領土的な野心があった訳ではない等は、今述べた通りです。ウクライナがNATOへの加盟を求めなければ、ロシアだって侵攻する必要はありませんでしたし、領土の保全も可能でした。多くの犠牲を払ってまで、NATOへの加盟を急ぐ必要があったのでしょうか。
これは誰も言いません。しかし、敢えて言いますが、ウクライナは自国ばかりか世界を戦争に巻き込もうとしている!
短期間でウクライナ侵攻の成果が出せなかったことについて、ロシアは誤算をおかしたと多くの人たちは言いますが、ウクライナもまた大きな計算間違いをおかしたのではないでしょうか。