ウクライナのゼレンスキー大統領は、3月23日午後6時から日本の国会で、オンライン形式の演説を行いましたが、その当日の朝日新聞朝刊声欄に、「どう思いますか 戦争と国際協調」と題する、読者の投稿が掲載されました。掲載されたのは五つです。
その一つは、下記の通りです。
「NATO加盟希望 大きな代償 会社役員 滝田 正良 (山梨県 74)
ロシアのウクライナ侵攻に心が痛みます。戦争回避の道はなかったのでしょうか。一番の問題はウクライナの北大西洋条約機構(NATO)への加盟希望です。白紙に戻すことはできなかったのでしょうか。加盟をあくまで希望した代償はあまりにも大きいものでした。
確かに独立国として条約に加盟する権利も自由もあります。しかし、その結果、世界は大混乱に陥りました。NATOは米国を主体とした同盟ですが、ロシアとの戦争で被害を被るのは地続きのヨーロッパです。今回の経済制裁は世界全体に影響を及ぼし、日本もその影響は計り知れません。追い詰められたロシアは何をするかわかりません。過去の日本のように。
NATOは防衛を目的としていますが、ロシアにすれば、いつ攻め込まれるか疑心暗鬼なのでしょう。今時そんなことは考えられないと言うかもしれませんが、ロシアはナポレオン、ヒトラーに自国を侵略された歴史があります。一日も早い戦争の終結を祈ります」
私は、「過去の日本のように」は余計だと思いますが、朝日に採用されるには、そんな一言が有利なのかもしれません。
それはさておき、朝日新聞の論調とは異なった意見が掲載されました。
世の大勢が、ウクライナ=善、ロシア=悪、の一辺倒になっていることに、さすがに辟易した同紙の編集者が、この投稿を選んだのでしょうか。
因みに、上記の投稿の右隣に掲載された投稿は、「『正義』の衝突・・・平和は難しい」との題名で、その文章は「国際紛争にはそれぞれの正義のぶつかり合いという面があり、難しいものだと思う」で結ばれています。