ロシアへの同情 ウクライナ侵攻

ロシア軍は、2月24日ウクライナに侵攻しました。
この事件に関する、ネット記事を見ていると、プーチン大統領やロシアに対する非難が多い。しかし、それらには、ウクライナがNATOに加盟することによって、ロシアが受けるであろう脅威に対する慮りがないように思います。

1962年、ソ連がキューバにミサイルを配備したのが、アメリカの偵察機からの航空写真によって明らかになり、米国は驚愕しました。いわゆるキューバ危機です。
ウクライナが北大西洋条約機構(NATO)に加盟すれば、NATO軍の、とりわけアメリカ軍の基地が同国内に出来るかもしれません。ウクライナのNATO加盟は、ロシアにとってのキューバ危機に相当するのではないでしょうか。

ハバナからワシントンD.C.までの距離は、1826㎞であるのに対し、キエフからモスクワまでの距離は、755㎞です。しかも、当時のミサイルのスピードよりも、現在のそれの方が、格段に速くなっているでしょう。

ロシアは核兵器大国なので、同国軍は物凄く強いような印象を受けますが、第一次世界大戦におけるロシアの戦死者数は、参戦国中ドイツに次いで第二位であり、第二次世界大戦におけるそれは第一位です。他国と比較して多い。両大戦とも、同国は戦勝国側だったのにです。ロシアの通常戦力は、そんなに強くないのかもしれません。

ナポレオン軍によるロシア遠征にしろ、第二次世界大戦におけるドイツのソ連侵攻にしろ、自国の奥深くまで、他国を引き摺り込んで(戦線や補給路を延ばして、相手を消耗させることによって)、やっと勝利しています。ウクライナがNATOに加盟することは、ロシアの奥深いはずの懐を、切り取ってしまうことになるのではないでしょうか。

当面は、ウクライナのNATO加盟を保留、中立化が平和への道ではないでしょうか。NATO加盟は、50年後とか、将来の課題としたらどうでしょうか。