立憲民主党の「女性候補5割」に賛成

1.朝日新聞の記事

2月17日付朝日新聞に、次のような記事が掲載されました。
見出しは、「立憲『女性候補5割』」「活動計画原案 参院選の目標明記」
内容は、下記の通りです。

「立憲民主党が27日の党大会で採択する2022年度活動計画の原案がわかった。夏の参院選では、1人区で野党候補の一本化を図るとともに、『女性候補者5割』の目標を明記した。(中略)
『国民の声に機敏に対応し、具体的で建設的な政策提案を続ける』と強調。対話を重視し、小川淳也政調会長が始めた『りっけん対話集会』を全国的に開催する考えを盛り込んだ。
参院選に向けては、従来の支持層に加え、中間層、無党派層からの支持を獲得するため、『幅広いアプローチ』が求められると指摘。1人区では『それぞれの選挙区事情を考慮しながら野党間の候補者調整を図る』とした。『ジェンダー平等』を掲げる党として、女性候補者5割をめざす方針も明記した。(鬼原良幸)」

2.数学と文学と政治

大学の数学科や物理学科、あるいは工学部の学生数の、男女の比率を同じにしたらどうでしょうか。また、それらの専門の教授や助教の男女の比率を同じにしたら、どうでしょうか。数学や物理が好きな、あるいは得意とするのは、女性よりも男性の方がずっと多いでしょう。

そのようにすると、それらの分野では、女性にとっては広き門になるでしょうが、男性にとっては、狭き門になります。たとえば、男性は100人の応募者に対し、合格・採用は10人(10%)、女性の場合は40人の応募者の内、合格・採用は10人(25%)というようなことが起こります。
このことから当然予想されることは、合格・採用された男性10人の学力よりも、女性10人のそれの方が、低くなるだろうということです。
大学において、このような「活動計画」が行われることは、望ましいでしょうか。

数学や物理とは違って、一般的に、文学は男性よりも女性の方が、好きな人が多いし、得意とします。
たとえば、文学賞である芥川賞や直木賞の受賞者や候補者の男女比を同じにしたらどうでしょうか。芥川賞の受賞が二人なら、必ず男女一人づつにしなければならない、芥川賞の発表は年二回7月と翌1月に行われるので、7月は女性が、1月は男性が受賞としなければならないと決めたらどうでしょうか。

文学で優れた作家、優れた作品が生まれるのは、男女の比率とは無関係で、ランダムです。なので、文学賞の候補者、受賞者を男女同数にするというのはナンセンスです。
作家である選考委員も、候補に挙がっている者も、かつて受賞した作家たちも、誰もそんなことは望まないでしょう。彼らの意見は、男女に関係なく、その賞に相応しい人物が受賞すべきである、で一致するでしょう。文学で賞を取るのは容易ではありませんし、それゆえに、賞を獲得した人たちには、それなりに自負があるはずです。だから、文学賞の受賞者の男女比を均一にすることには、皆反対するに違いありません。

新聞の政治経済社会欄や言論誌を読む人、ネットで政治関連の記事を読む人は、男女で比べたら、やはり、女性よりも男性の方がずっと多いだろうと思います。
そのような状況で、国会議員選挙の立候補者を男女同数にすること=女性候補者5割にすれば、数学科や物理学科の教授や助教や学生の男女比を同じにすること、文学賞で男女の受賞者数を同じにすることと、同類の弊害が生じるでしょう。

他の条件が等しいとして、男女に関わりなく優秀な人材が科学者や技術者になる国と、優秀さは二の次で、男女比を同数にして、科学者や技術者を登用した国とが戦争をしたら、どちらが勝つでしょうか。前者でしょう。
同様に、男女に関係なく優秀な人物を起用する政党と、優秀さは二の次で、男女比を同じにした政党が国会で闘った場合はどうでしょうか。、後者は前者に敗北するでしょう。

下駄を履かされた状態で、国会議員になる女性たちに、政治家としての自負、あるいは国民を守る責任感が生まれるでしょうか。
長年政治に関心を抱き、政治に従事して、努力してようやく政治家になった女性たちだって、ぽっと出の同性政治家は面白くないのではないでしょうか。

3.立憲民主党で良かった

「女性候補者5割をめざす方針も明記」は、正気な人たちは、誰も賛成しないだろうと思います。こんな下らない提案をしたのが立憲民主党で良かった。もし自民党でこんな提案がなされ、実施されたら、日本は危うくなります。

立憲民主党は、なぜこのような大衆迎合的な提案をするのでしょうか。
何れ国会議員の男女比は同じになるし、そうしなければならない、それが未来の姿だと考えているためでしょうか、それとも、それが「国民の声」であり、それに「機敏に対応」したからでしょうか、あるいは、もう政権を取る気がなくて、少数の議席を確保するために、ジェンダー平等を支持する、特定なリベラルなファンを引き付けておくために、女性候補5割を掲げたのでしょうか。

4.イデオロギーの呪縛

女性候補者5割もそうですが、女系天皇やら、左翼は時々奇妙な提案を行います。
それに対して、右派は、左派は日本の破壊を目標としている、というようなことを言います。しかし、それは誤認でしょう。
私は、左派も右派も正義感に基づいて、その言動を行っているとみています。相手は日本の破壊を狙っているとか、金のために動いているなどといった主張は駄目です。自分たちが正義感で動いているのなら、相手だって正義感で動いているのだと考えるべきです。

女性候補5割が立法化され、すべての政党がそれを実行しなければならなくなったのなら、左翼は日本の破壊を狙っていると言えるし、憂慮すべきですが、このたびの提案は立憲民主党だけが実行するというものです。彼らは、自らのイデオロギーに忠実なだけです。そして、自らのイデオロギーによって、自らの首を絞めようとしている!

女性候補5割を実施し、それを継続して実行したら、立憲民主党は万年野党化または泡沫政党化は免れないでしょう。同党は、日本よりも自党を破壊するつもりのようです。
同党の女性候補者5割に賛成します。是非それを実現していただきたい。それは、立憲民主党の、終わりの始まりになるかもしれません。
「悪夢のような民主党政権」の正嫡政党が潰れることは、お国のためになります。
良かった、良かった。