箇条書き 功利主義とは何か

功利主義とは何かについて、私の解釈を箇条書きにしてみます。

A、真善美という言い方がありますが、物事の真偽を取り扱うのが、狭義の哲学や科学であり、善悪を扱うのが倫理学であり、美醜の問題を扱うのが美学です。

B、功利主義は、さまざまに存在する倫理学説の一つです。

C、功利主義は、最高善(善悪を判断するための究極標準としての最高目的ー広辞苑)は幸福だと考えます。

D、人間のすべての行為は、他人に影響を与えない行為(無人島で一人で暮らすロビンソン・クルーソーや休日に自室で趣味に興ずる人など)と、他人に影響を与える行為に分けられるでしょう。

E、前者における行為の善悪を扱うのが、個人的(私的)倫理であり、

F、後者における行為の善悪を扱うのが、社会的(公的)倫理です。

G、個人倫理の目的は、その人物の最大幸福であり、

H、社会倫理の目的は、最大多数の最大幸福です。

I、個人倫理で、何をなすべきかは、その人物の幸福の総量=快楽の総量+苦痛の総量、によって決めるべきであり、

J、社会倫理で、何をなすべきかは、その行為が影響を与える人々の、幸福の総量=快楽の総量+苦痛の総量、によって決定すべきです。

K、政治的経済的社会的な諸問題で、どのような選択・政策を行うべきかは、社会倫理の延長上の問題です。なので、功利主義は、政治思想でもあります。