『週刊文春』、『文藝春秋』の編集長を務めた木俣正剛氏は、「石原慎太郎『コワモテ』の裏側、身近な人が離反しない理由とは」という記事を書いています。
一部を引用します。
「私には長い経験則があります。ドーナツ現象というものです。『時の人』となった人物を見るとき、本物の人ほど、身近な人がずっと身近にい続けて、離れません。ところが、偽物というのでしょうか、時流に乗っただけの人は、身近な人から離れて行きます。ドーナツみたいに真ん中が空洞で、外側の人ばかりが褒めている、そんな人は信用できない。そう思って編集してきました。
田中真紀子さんしかり、小沢一郎さんしかり、身近な人が離反し公に声を上げるような人は、やはりどこか人間として欠けている部分があるのでは、と思ってきました。その点では、石原慎太郎さんや小泉純一郎さんは身近なところから離反者がでません。それを人徳というべきなのでしょうか」
この記事が配信されたのは、昨年10月28日ですが、その前の月に自民党総裁選が行われ、三氏によって争われました。菅義偉氏と岸田文雄氏と石破茂氏です。
石破氏はマスメディアではずいぶん前から人気がありましたが、9月の総裁選では議員票は少なくて、最下位でした。
因みに、都道府県票は、菅氏89票、岸田氏10票で、石破氏は42票です。一方、議員票は、菅氏288票、岸田氏79票に対し、石破氏はわずか26票です。なぜメディアでの人気は高いのに、議員票は少ないのでしょうか。
直に知っている人=身近な人から好かれていないからではないでしょうか。たぶん石破氏も、田中真紀子氏や小沢一郎氏などに近い、外面は良いけれども、内面は悪いと言ったタイプの人なのだろうと思います。
人生経験をある程度積めば、直に知っている人たちから嫌われるような人たちとは、どのような人なのか、おおよそ見当がつくはずです。
田中氏や小沢氏や石破氏のような人たちに声援を送ったり、期待したりした人たちは、外面は良いけれども内面は悪い嫌なヤツ、というのが身近にいた経験はないのでしょうか。