覇権国の論理

18、19世紀の世界における覇権国イギリスと20、21世紀の覇権国アメリカの行動原則は、<自国の覇権を脅かすもの、自国に取って代わろうとするものは潰せ>、ではないでしょうか。

イギリスは英蘭戦争でオランダを潰し、覇権を維持しました。
アメリカも、第二次世界大戦で独日を潰し、冷戦でソ連を潰し、冷戦後は経済的に脅威となった日本を潰し、そして今、中共を標的にしているのだと思います。

このように言うと、イギリスもアメリカもあくどい国のような印象を受けますが、必ずしもそうではありません。米英のような覇権国が、自由で民主的な体制の国であったのは幸いでした。
もっとも今後の世界で、自由や民主主義、人権や法の支配を保障しない国は、一時的に覇者になったとしても、各国から異議申し立てや反抗が起こり、長期的に覇権を維持するのは困難でしょう(だから、中共は長期的な覇権国にはなりえません)。

自国に取って代わろうとするものは許さない、という覇権国の原則の是非はともかく、というよりも、その是非を論じるのは無意味なので、事実は事実として認め、その時々の置かれた状況により、日本は自国の舵取りを考えれば良いのだと思います。
すなわち、現在はアメリカ側について、独裁主義国家中共の覇権国化を阻止すべきでしょう。

百年後か二百年後、アメリカがBLMやANTIFAのような極左に乗っ取られ、自由や人権等がない国になる一方、支那が共産党一党独裁の体制を脱し、自由で民主的な国になり、そのような米支が世界の覇権を争うことになったなら、その時は支那と同盟を結び、アメリカを潰すことを考えれば良いのだと思います。

【追記】
独裁主義国が長期的に覇権を保持するのは無理だとしても、一時的に覇権を握る可能性はあります。そして、それは国際社会の災厄です(10月9日)