朝日新聞と忖度

安倍晋三首相は、8月28日夕方辞任を表明しました。翌29日朝日新聞の素粒子欄は下記の通りです。

「いかにも首相らしい。『痛恨の極み』『断腸の思い』は拉致、領土、改憲で結果を残せない現実への心情だった。
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少子化を打開できず、待機児童ゼロも介護離職ゼロも、物価上昇率2%も掛け声倒れの政策面は多くを語らない。
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ましてや、『森友・加計・桜』での説明忌避や、忖度をはびこらせた政治責任など、知らん顔して退陣してゆく。」

朝日新聞の読者投稿欄などは、同紙編集部への忖度競争の勝利者の投書が掲載されているわけですし、紙面に登場する学者や文化人たちも、新聞社の論調を忖度しているから採用されているわけでしょう。
首相にしろ、左翼新聞にしろ、忖度する人は沢山います。もしある人物がそのどちらかに忖度をして、非合法な行為をした場合、罪を問われるべきは、忖度した人物であって、忖度された側ではありません。
朝日は、「忖度をはびこらせた」報道や言論を散々やっている癖に、「知らん顔して」良く言うなあ。同紙も早く社会から「退陣して」欲しいと思います。

「『森友・加計・桜』での説明忌避」と言いますが、刑事訴訟では、検察官が挙証責任を負担しますが、森友以下に関しては、誰が立証責任を負うべきなのでしょうか。
それらについては、白であることを説明する責任が首相の側にあるのではなく、黒であることを証明する責任が左派メディアの側にあります。そしてメディアが、首相が黒であることを証明できなければ、白だと判定して当然です。
証明忌避を行っているのは、メディアの側です。 

「拉致、領土、改憲」も、少子化も、「待機児童ゼロも介護離職ゼロも、物価上昇率2%も」、安倍氏以外の誰かが首相を務めていたら実行できていたでしょうか。できていないでしょう。
それらについて、右派の首相だったから批判をして、左派だったら口を噤むというようなダブル・スタンダードな報道や言論を行うから、右派と左派の分極化が進むのです。

燕雀がつまらない批判をするから、鴻鵠の持病が悪化するんですね。
政界は、「そして誰もいなくなった」状態ですから、安倍さん以降は、日替定食ならぬ年替総理の時代が到来するのは必至でしょう。左派メディアは、自分たちが日本をそのような年替総理の時代に追いやったのだということを、認識しているのでしょうか。言っても無駄ですが、少しは反省して欲しいと思います。

安倍総理、長い間お疲れさまでした。