1.先進国の植民地支配
古代ギリシアやローマには奴隷制度がありました。では、現在のギリシア国民やイタリア政府はそれを反省すべきでしょうか。
奴隷制は当時の常識であり、二千年あるいはそれ以上前のことを反省するのは無意味です。
さて、私たち日本人はかつての植民地支配、たとえば1910年からの韓国併合を反省すべきでしょうか。
ほんの百十年ほど前のことだとはいえ、その当時の先進国は皆植民地を持っていました。イギリス、フランス、ドイツ、イタリア、オランダ、ベルギー、ポルトガル、ロシア、アメリカ然りです。
それが世界標準でした。
2.アジア・アフリカ諸国の独立はほんの数十年前のこと
大東亜戦争の結果、多くのアジア諸国は先進国の植民地支配を脱し、独立しました。
一方、アフリカ諸国が独立したのは、もう少し後でした。かの国々が競って独立した1960年は「アフリカの年」と呼ばれていますが、それはわずか六十年ほど前のことです。
3.無意味な反省
ほんの七十五年前や六十年前には、先進国による植民地支配は当たり前のことだったのです。その時代に当然とされていたことを、今日の私たちが道義的に非難することに何の意味があるでしょうか。
私たちが韓国併合を反省するのは無意味です。
そんな無意味なことをする暇があるのなら、現在の私たちがやっていて、しかも百年後、千年後の人たちから道徳的に責められるような、そのような行為を改めた方が良いと思います。
そうすれば、私たちは後世の人たちからきっと称賛されるに違いありません。
けれども、百年後、千年後の人たちが、どのような価値基準を持っているのか、私たちには知りえません。現在の私たちの行為のうち、どのようなそれが後世の人たちから道義的に指弾されるのかは分かりません。
だから、今の私たちが、千年前、百年前の人たちを倫理的に非難することだって無意味なのです。