昨年末支那の武漢市で、新型コロナウィルス感染症が発生しました。当然ながら、初期には感染者、死亡者数共に同国の数字が突出していました。
ところが、その後感染が世界へ波及し、とりわけ欧米で感染者数及び死亡者数が激増しました。
一方、発生源の支那では3月10日習近平国家主席が、「湖北省での感染を『基本的に抑え込んだ』と宣言」(1)しました。
そして、worldometers.info/coronawirus/によれば、支那の死亡者数は三千三百人程度でずっと横ばい状態が続きました。
支那の死者数が少ない原因を説明する議論も現れました。それによると、自由主義諸国と違って同国は強権主義の国であり、外出や移動の禁止を徹底できたからだという。しかし、それだけで支那の死者数の少ないのを説明できるでしょうか。
4月19日のworldometers-によれば、人口8300万人強のドイツの死者数は4459人、また人口1149万人のベルギーの死者数は5453人です。それに対して、ウィルス発生元の支那の人口は14億人弱でありながら死者は4632人です。
ん? そんなことがありうるのでしょうか。
それに、武漢市は支那の内陸部の都市です。北京や上海よりも田舎でしょう。ドイツやベルギー国民よりも、武漢市民の方が清潔な生活を送っているのでしょうか。あるいは、前者よりも後者の方が、医療体制が充実しているのでしょうか。
支那政府発表の数字に疑念が生じるのは当然です。
発生初期、感染者数と死亡者数が突出したのは注目を集めましたが、その後の、それらの増加の少なさの「突出」ぶりも疑念を呼び起こします。
支那の指導部は、欧米諸国の、とりわけ死者数の増大を見て思ったのではないでしょうか。
「こんなことなら、もっと正直な数字を発表しておけば良かった」
そこで、疑念がさらに拡大する前に、適当な時点で数字を増やさなければならないと判断した結果が、4月17日の死者数の積み増しではないでしょうか。
「新型ウィルス流行の中心地となった中国・武漢(wuhan)の市当局は17日、死者数の集計において『誤った報告』や漏れが多数あったと認め、市の死者数をこれまでより5割近く多い3869人に修正した。
市当局がソーシャルメディアで明らかにしたところによると、修正により武漢市内の死者数は1290人増加。中国全土の死者数も39%近く増加し、4632人になった」(2)
けれども、この数は、はたして「正直な数字」なのでしょうか。
二つの記事から引用します。
「中国が前例のない移動制限に踏み切ったことで、新型ウィルスの感染拡大が緩やかになったという評価の声もある」(3)
「中国は、情報の隠蔽によって、初動が遅れたが、その後は強権的にウィルスを抑え込んで、4月8日には、2カ月半ぶりに武漢の閉鎖を解いた」(4)
「強権的にウィルスを抑え込ん」だ方法・措置とは具体的にどのようなものだったのでしょうか。武漢の都市封鎖(ロックダウン)の際、「荒業」(自由体制ではありえないような)は、行われなかったでしょうか。私は、たぶん行われただろうと考えます。
対ウィルス戦争において、共産主義国では二つの対策が採られます。一つは感染の抑え込みであり、もう一つは数字の抑え込みです。
後者は、習近平政権による数隠蔽です(笑)。
4月6日に公開した「全体主義国の対ウィルス戦争」の最後に書きました。
「数年後か十数年後、この度のウィルス禍が本当の意味で検証されることになるでしょう。その時、現在の北朝鮮や支那発表の数字がいかに嘘であるかが暴露されることになるだろうと思います」
(1)https://www.bbc.com/japanese/51829500
(2)https://www.afpbb.com/articles/-/3279060
(3)https://www.bbc.com/japanese/52334931
(4)https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/60212
【追記】
将来また新型コロナウィルスが発生するかもしれません。「新型コロナウィルス」と書いていると、今回と次回のそれの区別ができません。なので、本投稿文から発生地の名前をとって、「武漢ウィルス」と記述することにしました。