言論で闘わない「言論人」植村隆氏

6月27日付朝日新聞によれば、名誉を傷つけられたとして、元同紙記者植村隆氏が西岡力氏と文藝春秋に対し、損害賠償を求めた訴訟の判決が26日東京地裁であり、同氏の請求が棄却されたとのことです。

控訴する方針の植村氏は判決後の記者会見で、「ひるむことなく言論人として闘いを続けていきたい」と述べたらしい。
言論人なら「闘い」を裁判所に持ち込まずに、どうして言論誌・紙で行わないのでしょうか。
氏は『週刊金曜日』の発行人兼社長だそうですが、ということは書く媒体を持っているということです。言論人として稀有な、恵まれた存在です。それなのに、なぜ言論で闘わないのでしょうか。
裁判に時間をとられれば、言論に割く時間も削られ、言論人として十分に活躍できないでしょう。

「植村氏は、名誉を傷つけられ、教授に内定していた大学との雇用契約の解除を余儀なくされた」そうです。
そうであるなら、なおさら言論で西岡氏や『週刊文春』をコテンパンにやっつけたら良いのにと思います。
そうすれば、左派新聞や雑誌やテレビからお座敷がかかり、あるいは印税収入で、大学教授よりももっと稼げたのではないでしょうか。

それなのになぜ、植村氏は言論で解決すべきことを、裁判沙汰にするのでしょうか。
西岡氏との論争に「ひる」んだから、もしくは言論では勝てないと踏んだから、でしょうか。それとも、言論人としてのアイディアもエネルギーも枯渇したため、優秀な言論人の足を引っ張ることにしか関心がなくなってしまったためでしょうか。