先日友人に質問をしてみました。
第二次世界大戦の、ヨーロッパの戦争はなぜ始まったのか、どこの国が始めたと思うかと。
ドイツが始めた、同国が近隣諸国を侵略したから始まったとの答えでした。その辺の中学生から、左系新聞やテレビなどのマスコミ従事者まで、大方そんな認識でしょう。
第二次欧州大戦は1939年9月3日、イギリスとフランスがドイツに宣戦して始まったのだから、戦争を始めたのは英仏です。
ドイツは近隣諸国を侵略したではないかと言いますが、イギリスやフランスはアジア・アフリカをドイツ以上に、長期的かつ広範囲にわたって侵略していました。
他国家民族を侵略するのがそんなに悪いことなら、英仏はまず自国に対して宣戦布告すべきでした。
当時の欧米には、アジアやアフリカは侵略しても良いが、欧州はいけないとの不文律があったとしか考えられません。
どうしてそんな人種差別主義的通念に基ずく歴史観に、私たち日本人が付き合う必要があるのでしょうか。
戦前の先進国は、わが国を含めて皆対外侵略的だったから、今日それを咎めても意味がないのですが、もしドイツがその侵略に対して「有罪」なら英仏も「有罪」、英仏が「無罪」ならドイツも「無罪」です。そして、罪刑法定主義に従うなら、対外侵略に関して、英仏独何れも無罪です。
ドイツが有罪なのは、ユダヤ人を虐殺したからです。それは戦争犯罪ではなく、「戦争中の犯罪」です。
戦争犯罪は連合国も同盟国もおかしています。連合国はニュールンベルグ裁判によって、戦争中の犯罪を戦争犯罪にすり替えました。そして、それによって戦争の印象操作を行いました。
ユダヤ人虐殺がなければ、連合国=善、同盟国=悪という戦争観が成り立たないからです。
では、ある特定の人種・民族を虐殺していない日本は?
言うまでもありません。
【追記】
「その当時、ヒトラーはまだ英仏との戦争を欲していなかった。彼はポーランド進撃に際しても合理的に計算し、ドイツが英仏から逆方向に進んで行く限り、彼らと戦争になる筈はないと踏んでいたし、事実ポーランドを助けてみても英仏には何の利益もない。チェコスロバキアが見殺しにされたと同様に、ポーランドも見棄てられるに違いないとヒトラーは考えていた。だから彼は、ドイツのポーランド侵入によって重大な脅威を感じるに違いないと思われるソ連を安心させるため、不可侵条約をソ連と結んだが、英仏に対しては何の手も打たなかったのである。独ソの協定に対抗して、イギリスがポーランドと結んだ相互援助条約を、空虚なジェスチャーだとヒトラーが考えたのは極めて合理的であったといわねばならない。
しかしイギリスは狂ったように対独宣戦し、第二次大戦の幕はイギリスが切り落としてしまった」(森嶋通夫著、『自分流に考える』、文藝春秋、1981年刊、98-99頁)(2021・12・29)
【追記2】
「第二次世界大戦の、ヨーロッパの戦争はなぜ始まったのか、どこの国が始めたと思うかと。
ドイツが始めた、同国が近隣諸国を侵略したから始まったとの答えでした。その辺の中学生から、左系新聞やテレビなどのマスコミ従事者まで、大方そんな認識でしょう」
上記の検証事例です。
「第2次大戦は1939年、ナチスドイツがポーランドを侵攻して始まった」
(2022年2月25日付朝日新聞社説「ロシアのウクライナ侵攻」より)(2022・3・14)