9・11テロ、その動機と目的

2001年9月11日、乗員・乗客をのせた旅客機がテロリストたちに乗っ取られ、その内の二機がニューヨークのツインタワーに激突し、ビルが崩落したのは衝撃的でした。多くの人たちはテレビに釘付けだったでしょう。それもさることながら、その事件の後の、わが国の少なからぬ人たちの発言も驚きでした。
テロの首謀者オサマ・ビンラディンは、テロの目的を語っていません。それなのに、日本の評論家やジャーナリストは、彼の動機を忖度し、あれやこれや放言していました。たとえば、「アメリカは反省しなければならない」。
そもそも、テロリストの動機がはっきりしないのに、アメリカは何をどう反省せよというのでしょうか。
彼らは、「テロリストの動機」と、「『テロリストの動機』だと自分が考えること」の区別さえついていないようでした。自らの反米的意見、というよりも感情をテロリストに仮託しただけなのでしょう。
ビンラディンは、2011年5月2日パキスタンの隠れ家で米特殊部隊に殺害されるまで、テロの目的を語る時間も手段もあったはずです。にも拘らず、彼は私たちが納得できるように説明することはありませんでした。
あるいは、一次資料を用いて、彼の目的を証明しえたジャーナリストも学者もいないだろうと思います。
たぶん、首謀者当人さえ、何が目標なのか分かっていなかったのではないでしょうか。アメリカに対する愉快犯、というよりも不愉快犯だったのかもしれません。
9・11テロの原因=テロリストの動機は何だったのでしょうか。それは分からない、としか答えようがありません。