左派と右派

左翼(左派)・右翼(右派)という言葉は、周知の通り、フランス革命期の議会において、議長席から見て左側に急進派が、右側に保守派が席を占めたことに由来します。それ以来、進歩主義的立場を左派、保守主義的立場を右派と呼んでいます。だから、冷戦時代は社会・共産主義者が左派で、資本・自由主義者が右派でした。

当たり前ですが、フランス革命時代の左派と冷戦時代の左派の、フランス革命時代の右派と冷戦時代の右派の主張内容は同一ではありません。左派と右派というのは相対的、便宜的な分類で、それは時代(国)によって変わりますし、その時代にはその時代の左派・右派が存在します。だから、冷戦時代の左派・右派と、現在のそれが違っても不思議ではありません。

山口真由氏は『リベラルという病』(新潮新書)に、「リベラルの本質は人間理性への信頼、コンサバの本質は人間への不信となり、すべてはここに帰着する」と書いています(197ページ)。「人間理性への信頼」はリベラルのみならず、社会・共産主義者を含めた進歩主義者一般の特徴でしょう。

進歩主義者の本質は変わりません。次々と新思想を見つけては、それを帰依の対象にする。冷戦時代の社会主義信仰の持ち主たちは、冷戦後は歴史認識、外国人参政権、夫婦別姓、同性婚、反原発などの問題へ戦いの場を移しました。
冷戦後政治的左右の区別は無意味になったと主張する人もありますが、進歩主義者は永遠です。進歩主義者がいなくならない限り、左右の対立がなくなるはずがありません。

リベラルは左翼ではないという人もいますが、それはフランス革命時に事故で昏睡し、百数十年後の冷戦時代に蘇生したジャコバン党員が共産主義者を指して、彼らは左翼ではないと言っているようなものでしょう。

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